アルバム「 歌弾-かだん- 」相馬圭二による楽曲解説

『雪解け』

 

2013年2月レコーディング。

3月              をYouTubeで公開しました。

 

原曲は2006年、ザ・コブラツイスターズ時代のデモ曲として生まれました。

 

ライブ初披露は、2009年5月16日日暮里Bar PORTOにて。

私自身初のソロライブでした。

この時点ではリズムが現在とは違い、もっとゆったりとしたバラード風でした。

 

次は、2010年6月6日浅草橋ブンガジャンでのザ・ツイスターズライブにて。

古市重一さんとのユニット『流弦堂』として演奏しました。

この時からリズムが現在のものになります。

 

古市氏とのリハーサルの中で、後奏のイメージが固まって行きました。

MVにおける後奏の風景も、この時のイメージを映像化したものです。

 

他のアルバム収録曲に合わせて、9月にボーカルを録り直したのですが、結局2月のバージョン(MVと同じ)を採用しました。

ピッチやタイム感など、2月よりももっと気を付けて歌ったつもりだったのですが(意識し過ぎたのかも)、雪解けを待つ季節に歌った空気感、声のやわらかさなど、2月のテイクの方が良いと感じました。

歌って不思議なものです。

 

MVロケ地は、千葉県房総半島の自宅から車で約10分ほどの場所です。

数日前に降り積もった雪が、まだ少し残っていて、『雪解け』にはちょうど良い具合でした。

 

*使用楽器*

アコースティックギター(大ちゃん)

エレクトリックベース

 

 

 

 

『青い空の向こうへ』

 

2011年7月30日、日暮里プロモボックスでのソロライブに合わせて、会場限定シングルCDとして発売。

カップリング曲は『旅は終わらない』。

 

今回のアルバム収録に当たっては、ボーカルを取り直し、コーラスも入れました。

 

イギリスの小説家アレックス・シアラーさんの『青空の向こう The Great Blue Yonder』を読んで感銘を受け、この曲が生まれました。

 

このアルバムの中で一番アップテンポの曲になります。

ライブではもう少しテンポが早くなるみたいです^^

 

ライブ初披露は2010年6月6日浅草橋ブンガジャンでのザ・ツイスターズライブにて。

古市重一さんとのユニット『流弦堂』として演奏しました。

 

間奏のソロは『流弦堂』では、古市さんがちょっとエキゾチックでカッコいいギターを弾いてくれるのですが、私のソロということで、敢えて違うアプローチを考えました。

結局エレクトリックギターでのブルース風になり、まあ、私らしいかなと思っています。

 

『雪解け』とともに、ライブで演奏することが多い曲です。

 

最近(2013年12月)、とてもお世話になった方が青空の向こうへ旅立たれました。

今までも数多くの方々が先に行かれましたが、やがてみんな行く道ですね。

たくさんの想いを胸に秘めながら、私もその日まで精一杯生きて行きましょう。

 

 

*使用楽器*

アコースティックギター(大ちゃん)

エレクトリックギター(キクチ)

エレクトリックベース

 

 

 

 

『潮騒』

 

青森の港町で生まれ育った私にとって、『雪』と共に大切なキーワードになっているのが『海』です。

 

故郷を離れ東京に暮らした頃も、房総半島に移住した現在でも、身体や心に深く刻まれているのです。

 

ある日ふと、一緒に暮らしている相方の命は永遠ではないのだと思った時、曲の原型が生まれました

(2006年頃)。

それから昔の恋人や仲間たち、子どもたちのことなどに想いが広がり、歌詞の内容が出来上がりました。

今回のレコーディングにあたって、歌詞を少し手直ししました。

少し寂しげな歌詞ですが、私の中では決して寂しい歌では無く、色んなこと全てが愛おしくてありがとう、

という気持ちで歌っています。

 

冒頭の潮騒の音は、私が高校生の1986年頃に、青森の実家近くにてカセットテープレコーダーに録音

したものです。

そのカセットは残っていないのですが、6~7年前にこの曲のデモを制作した際に、MDにダビングして

いたものが残っていたのです。

 

デモをつくった当時のギターソロのフレーズがとても気に入っていて、私の中ではすでに曲の一部に

なっていました。

今回デモと同じことを弾こうとしたのですが、その雰囲気を再現するのがなかなか出来ませんでした。

そんなに難しいことは弾いていないのですが、そっくりに弾いたと思っても、やっぱり何か違和感が

あるのです。

その当時の空気というものがあるのでしょう。

結局デモに収められていたテイクをそのまま使用しました。

音楽って不思議なものです^^

 

時系列でいうと、1986年頃(海の音)、2006年頃(曲が出来る&ギターソロ)、

2013年(歌詞直し&レコーディング)、という時空を越えたセッションによる曲になりました。

 

 

*使用楽器*

アコースティックギター(大ちゃん)

エレクトリックベース

 

『ほしのこえ』

今回のアルバムの中で、一番新しい曲になります。

2013年7月頃に、突然生まれました。

 

この曲で誰が誰に語っているのかわかりません。

私が考えたメッセージなのか、タイトル通りほし(=サムシング・グレイト?)のこえなのか。

自分で自分自身に語りかけているようにも思えるし…。

そういった、言わば『イメージの曲』なんだと思います。

 

サウンド的には私の大好きな、ピンク・フロイド、ムーディ・ブルース、キング・クリムゾンなどの、

プログレッシブロック創成期の影響が強く出ています。

曲調は違いますが、ザ・コブラツイスターズ時代の『無限 ∞』(アルバム『ウヅキ』収録)も、私の中では

似たような空気感を表現した作品でした。

 

2014年1月2日時点で、ライブでは演奏されておりません。

弾き語り形式でも演奏出来ないことは無いのですが、主旋律、ハモリパート、対位旋律の3パートが

織りなして曲を構成しているので、ヴォーカルが3人以上いる状態で演奏出来たらなあと思っているのです。

 

イントロや曲中で、オルガンを頑張って^^弾きました。

シンプルなメロディー中心なので、普段鍵盤を弾かない私でも、何とか思う通りの演奏が出来ました。

 

バッキングのアルベジオで、中学生の時に買ってもらった12弦ギターを使用しています。

(初めての自分のギターが、12弦アコースティックギターって…)

 

間奏のアコースティックギターは、考え込むことなく、スーッと自然にメロディーが出て来ました。

それを受け継ぐ形のエレキギターは、私にしては珍しくアーミングによるビブラートを使っています。

後奏はアコースティックギターとエレクトリックギターが会話しているような気持ちで演奏しました。

 

私の頭の中では演奏がフェイドアウトするのに合わせて風の音が聞こえているのですが、

あえて風の音を効果音として使用せず、サウンドの雰囲気で表現したつもりです。

 

 

*使用楽器*

アコースティックギター(大ちゃん)

アコースティックギター(12弦)

エレクトリックギター(キクチ)

エレクトリックベース

オルガン(シンセサイザー)

 

 

 

 

 

 

『落ち葉に乗せて』

 

人間関係が上手く行かなくて自分を責めていた時に生まれた曲です。

いつか必ずまた笑顔で会える。

そう信じて数年後、本当に笑顔で再会することが出来ました。

変わったのは、変えるのは、相手ではなく自分自身なのですね。

だから「さようなら」ということばも、寂しい言葉ではないのです。

 

2011年の大収穫祭ライブのリハーサルで演奏したのですが、本番では演奏しませんでした。

当初はゆったりとした8ビートのリズムでしたが、何かしっくり来ない部分がありました。

今回収録に当たり、私の好きなワルツのリズムに変更したところ、これだ!と決定しました。

 

前奏や間奏などでマンドリン風に弾いているのは、『ほしのこえ』でも使用した12弦ギターです。

計算したら…約30年前のギターでした!!

間奏のメロディーは、イングランドの民謡『グリーンスリーヴス』の一節です。

私の好きな『ザ・バンド』の『ラストワルツ』という映画の最後で、テーマ曲に続いて演奏されて

いたのが、とても心に残っていて、どうしてもこのワルツ調の曲に取り入れたかったのです。

 

2013年11月16日のソロライブで初演しました。

このときは前奏や間奏等でブルースハープ(ハーモニカ)を演奏しました。

 

 

*使用楽器*

アコースティックギター(大ちゃん)

アコースティックギター(12弦)

エレクトリックベース

パーカッション(タンバリン)

 

 

 

 

 

 

『雪が悲しみの上に』

 

『雪解け』とならんで、今回のアルバムにて『雪』がキーワードになる曲です。

 

青森生まれの私にとって、雪は白くて冷たくて、容赦のない寒さの象徴です。

悲しい人、苦しい人、楽しい人、全ての人たちの上に降り、全て覆いフラットにしてしまうような。

喜びも悲しみも、百もゼロも一緒だよ、みたいなイメージなのです。

だから冷たいけど、寒いけど、なぜか心が惹かれるのです。

そんな寒い冬があるからこそ、春の喜びもまたひとしおなのでしょう。

 

元々はゆったりとした8ビートの曲でしたが、ハネた16ビートを意識したリズムに変更しました。

 

間奏のギターソロは、シンプルなメロディーが浮かんで来たので、色々と弾き過ぎることはせず、

敢えてシンプルに演奏しました。

 

後半からエレクトリックギターが参加して、私の中の『ロック』的な血が騒ぎます。

寒さの中の熱い想いとでも申しましょうか。

 

あ、ちなみに私、寒さにはめっぽう弱いんです。

春、早く来ないかな…

 

 

*使用楽器*

アコースティックギター(大ちゃん)

エレクトリックギター(キクチ)

エレクトリックギター(金ちゃん)

エレクトリックベース

 

 

 

 

 

 

『夜のゆりかご』

 

元ザ・コブラツイスターズのドラマー加藤一郎の作曲です。

ザ・コブラツイスターズ時代、彼とのコンビでいくつも作品をつくったのですが、レコーディングには至らずお蔵入りになっているものも多数ありました。

これはそんな中のひとつ。

コワモテの彼がつくった、とても優しいメロディーで、ずっと長い間形にしたいと思っていました。

今回彼の承諾を得て、ようやく完成、収録することが出来ました。

長い歳月を越えて咲き続ける愛のうたです。

 

時を刻む柱時計の音で始まり、最後を締めくくるのは、私の自宅(房総半島)の周りに住む虫たちの声です。

 

流弦堂のパートナー、古市氏より頂いたクラシックギターを使用しました。

 

初演は2011年12月17日ソロライブ冬の大収穫祭にて。

2013年11月16日のソロライブでも演奏。

 

 

*使用楽器*

クラシックギター(流弦)

アコースティックギター(大ちゃん)

エレクトリックベース

 

 

 

 

Rain Song

 

曲が生まれたのは、2012年の3月頃、まだ寒い日が続く頃のことです。

季節外れの豪雨が数日間降り続き、植えつけたばかりのジャガイモさんが水浸しになって半分以上が痛んで

しまった事がありました。

冷たくグチョグチョのはたけに佇んで、自分は何をやっているのだろうと思いました。

音楽が大好きで音楽と共に生きて行きたいと言いながら、田舎に移住して自然と共に暮らすのが正しい生き方だと思い込み、自分で自分をがんじがらめにしていました。

正しいか間違いかなんて、みんな自分が決めつけているだけのことなのにね。

 

ただそこにいて、音を奏でる。

ただそこにいて、土にまみれる。

ただそこにいて、風を感じる。

 

それだけでいい。

それだけのことだったのです。

 

初演は2013年3月5日、高円寺『円盤』ボストンクラヴインストアライブにて。

2013年11月ソロライブ、12月ザ・ツイスターズ忘年会ライブの際は、ブルースハープ(ハーモニカ)と

ともに演奏しました。

 

 

*使用楽器*

アコースティックギター(大ちゃん)

エレクトリックギター(金ちゃん)

エレクトリックベース

 

 

 

 

『私たちのひかり』

 

これは2011年に生まれた、私にとっての再生のうたです。

 

2008年にザ・コブラツイスターズが解散して、私はうたをつくることを止めてしまいました。

『つくらなかった』と『つくれなくなった』の両方です。

その間、田舎暮らしを求めて、東京から房総半島の山里へ移住、移住してから半年後に東日本大震災が

おこりました。

私に出来ることは一体なんだろう。

一日一日を精一杯生きることしか思いつきませんでした。

このうたは、私が私自身のうちなる心へ向けて放たれて、初めて作品に出来ました。

歌詞に出て来るたくさんの「人々」は、そのまま私自身に当てはまるのです。

 

全体的なイメージは、私の好きな小沢健二さんの『天使たちのシーン』に影響を受けています。

彼ほどの(良い意味での)『軽い波動』が私には無いのですが、私なりのハッピーを詰め込んで

つくりました。

 

この曲も『ほしのこえ』同様、リードオルガンを弾いています。

間奏はオルガン、アコースティックギターとエレクトリックギターが交互にソロをとり、

後奏では『ほしのこえ』同様に2つのギターで会話するように、更に一番最後でオルガンも加わる、

という流れでプレイしました。

チーム『クラップ・ザ・ピーナッツ』として、私の家族が手拍子で参加してくれました。

 

初演は2012年2月21日渋谷ODAにて、タマ伸也氏・川畑さとし氏2マンライブのゲストとして。

2013年11月16日のワンマンライブでは、ライブ用に編集したレコーディング音源に合わせて、

エレクトリックギターを持ち演奏しました。

 

 

*使用楽器*

アコースティックギター(大ちゃん)

エレクトリックギター(キクチ)

エレクトリックベース

オルガン(シンセサイザー)

 

 

 

 

 

『万灯籠(まんどろ)の月』

 

私が中学生になったばかりの頃、私の好きだった叔父さんが、津軽方言詩人の高木恭造さんの詩集

『まるめろ』をプレゼントしてくれました。

その中に収められている「冬の月」という作品に感銘を受けて、この曲は生まれました。

「まんどろの月」とは、煌々と輝く満月のことです。

詩の内容は、とても暗いのですが、なぜか美しいのです。

しんと静まった風のない夜の雪原は、まるで波のない海のようです。

 

一度ボーカル録音まで終えたのですが、メロディーの高音部をキツそうに張り上げて歌うよりも、

柔らかに歌った方が曲に合うと思い、キーを半音下げてもう一度伴奏から全部録り直しました。

 

このアルバムの一番最後、舟に乗った主人公が静かに遠ざかって、少しずつ小さくなって…。

またアルバム一曲目に戻る、でもいいし、まだ見ぬ次回作に続く!でもいいなぁと思うのです。

そんな余韻を残しつつ。

 

 

アルバム『歌弾ーかだんー』解説、おつき合い頂きましてありがとうございました^^

 

 

 

*使用楽器*

アコースティックギター(大ちゃん)

エレクトリックベース

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